楼の家/ROU

楼の家/ROU

藤本壮介建築設計事務所

ダイニングとして使われる円錐型の塔を中心にキッチンやベッドルーム、バスルームなど、個々の部屋が集まりつながり合うような建築を計画した。塔はそれぞれの部屋をつなぐと同時に、たくさん開けられた出窓や、塔の内外を巡る階段によって、内部と外部が絡み合い、溶け合う結節点でもある。

塔の中から屋外へとつながる螺旋階段を上ると、出窓を通して、視線が大地から空へと向かう。
内階段の踊場から外へ出ると、今まで農業を体験していた畑や周囲の山々の景色が目の前に広がる。
地上から塔の頂上までリボンのようにつながる外階段を進むと、それぞれの部屋の屋上の庭を通って、瀬戸内の海まで一望できる頂上へと辿りつく。小さな建物でありながら、多様な居場所が見つけられる建築を目指した。

建物の外壁は “渦の家”と同様に、自然や畑に囲まれた環境の中で周囲と調和する素材として ”土壁”を選んだ。
一方、外部とは対照的に、内部は手触りのある素材を選びつつ、“白”を基調とした空間になっている。
塔の頂上の天窓から導かれた光は、時間とともに変化し、円錐曲面が優しく反射する。明るく開放的な空間である。滞在者が様々な居心地の良い居場所を巡りながら季節の移ろいを感じ、外部と内部、
自然や農業と暮らしを行き来して “農ある暮らし“ を体験できる、特別な場所になることを願っている。

株式会社藤本壮介建築設計事務所 建築家 藤本 壮介

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